研究

科学ワークショップ
【報告】第3回ほろよいサイエンス開催

9/27(土)【ほろよいサイエンス】を開催しました。
第3回目は、イギリスのSKA天文台のサイエンティストの浅山信一郎さんとゲストとしてお迎えし「宇宙のシグナルをキャッチする~電波天文学の最前線へ~」と題しまして、2時間めいっぱいお話と実演をしていただきました!
ロケーションはすでに3回目となりますが、金沢の町家「森町壱番丁」さん。日本家屋をリノベーションした、しっとりとした非日常のステキ空間です。そこに「波の綾」さんの美味しいお弁当、お酒、おみやげがつくスペシャルイベントです(今回から「つまみ」から「お弁当」に進化してボリュームたっぷりになりました😋)

18:20の開始10分前には、20代から70代までの14名の皆さんがすでに会場に来てくれています。中には、石川県立大学の教授、金沢星の会のご関係者など天文を専門とする方もチラホラいらっしゃっています。
そんな中、あれ?浅山さんがいない!!
観測のリハーサルをすると言って外に行った浅山さんは、なんとご近所の方に囲まれて説明をしているではありませんか🤣!どこまでもチャーミングな浅山さんですが、会場に戻るように呼びに行きましてほろよいサイエンスがスタートしました😊🍺。

まずは、浅山さんの自己紹介とSKA天文台のお話です。世界が協力してオーストラリアと南アフリカで作っているSKA望遠鏡、周波数がかぶらないように人のいないところで建てないといけないということです。エネルギーが低い天体(宇宙のガスや塵)から、エネルギーがとても高い天体(ブラックホールなど)までがみることができるようになるトテツモナイ望遠鏡だってことが分かりました。今回は、その建設地の1つ南アフリカの絵葉書とマグネットがイベントのお土産にもなっています💕。

近年の技術革新によってアマゾンで買える材料で電波望遠鏡が作れるようになった!と熱く語る浅山さん。今回は、なんと皆で電波望遠鏡を自作しました!これはなかなかできないスゴいことです😊3グループに分かれて、バルーン望遠鏡、バーベキュー網望遠鏡(大)、バーベキュー網望遠鏡(小)の3つを作りました。
ほろ酔いながら協力して作った望遠鏡を持って、次は観測です。浅山さんは天の川銀河の位置を探って、そこにバーベキュー網望遠鏡やバルーン望遠鏡の口が開いている部分を向けると水素輝線がキレイに見えました!(詳しくは※解説で!)電波望遠鏡作成も大成功に終わりました!
※すべての「モノ」から電波はでているのですが非常に小さい量。宇宙の銀河に向けると大きな星がいっぱいあるので、その分電波もいっぱい出てくる。宇宙空間に水素はたくさんあるので、水素が出す電波は大きく、水素の出す電波の波長を「水素輝線」という形でPCで観測することができる。

研究者の感じているワクワクが一般の方に伝わること、一般の方が研究っておもしろいことやってるんだな!って感じること、この2つが【ほろよいサイエンス】の目的です!
電波天文学を理解するには、前段階の基礎科学の知識がいるのですが、何よりも「まずは楽しんでやってみる、そこから科学に入っていくのもいいじゃない!」というのが浅山さんの考え方のようです。「なぜスポーツや音楽は楽しんでよくて、科学は役に立たないといけないって誰が決めたんですか?科学だって楽しめばいいじゃないですか!」その言葉にハッとしました。浅山さんの楽しかったらいいんじゃない?という気持ちが伝わり、難解さより楽しさを感じられた気がしました。
参加していただいた皆さん、浅山さん、スタッフの皆さんに感謝申し上げます!
とても楽しい時間でした、またやりましょう✨

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研究
地球深部探査船「ちきゅう」って?

「ちきゅう」という船を知ってますか?船旅をする客船や魚を捕る漁船、世の中にはいろんな船がありますが「ちきゅう」は海から地球を掘削するための船で科学掘削船と呼ばれています。なんのために掘削するのかというと、海底の下でどんな石にどんな力がかかったのか、地面の層を掘削して(コアといいます)地震のことや地球の中にいる微生物を調査しているのです。
驚きなのはその掘削能力!なんと2000mくらいの深海から7000m以上のパイプを伸ばすんです。簡単に言うと、エベレストよりも高い距離を海から地面にパイプを伸ばすことができるんです。海底に穴をあけそのコアを持って来て、そのまま船の中で調査できるように研究室も備えられているんです!能力もスゴさもカッコいい船なんです。
※もっと「ちきゅう」について知りたい方はJAMSTECの【ちきゅうキッズ】がおすすめです!

その「ちきゅう」を支えているのは、機械や電機や掘削のスペシャリストの皆さん!掘削はドリラーと呼ばれるプロの技術者が行います。掘削を指揮する現場監督だっています。船1つが大きな現場で、調理師さん、看護師さん、ランドリーで洗濯してくれる方など生活に必要な皆さんも「ちきゅう」には欠かせない重要な任務です。
先日、高専生や大学生が「ちきゅうで働くエンジニアの仕事を知る」インターンシップがありました。ちきゅう内に宿泊しながら実際に働いているエンジニアの皆さんと話ができるとても貴重な3日間、すごい企画だなと心から感じました。掘削現場のドリラーズハウスを見学ができたり、地球内部に降ろしていくライザーパイプを見学できたりとなかなかできない体験に、きっと参加した皆さんはわくわくしていたんじゃないかなと思います!(かなり羨ましい😊)

日本は海に囲まれた国で地震も多いです。日本に生きている以上、生活から切り離せない場所の研究を行っている海の上の実験室「ちきゅう」とそこでお仕事している皆さんがいること。どこかで出会うことがあったら、ぜひ興味を持ってみてほしいなと思います!
※写真は「ちきゅう」MQJ 日本マントル・クエスト株式会社 Xより

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日常
うく?しずむ?

「科学」って難しい?
実は生活のどこにでも潜んでいて、気づいちゃうと気になってしょうがくなくなるのが「科学」なのです💡。

今日の夜ごはんはキーマカレーとサラダにします🍛。作るのに、野菜をたらいにドボーン!と落とすと・・・あれあれ?浮く野菜とと沈む野菜があるじゃないですか。これはどういうこと?重かったら沈むのかな?じゃぁ、キャベツはどう?玉ねぎは?
そうやって探究していくと、きっと科学的に分かっていくことがあるのです!
科学は難しく考えなくたって、ココソコにいつだってあるのです✨

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日常
福井工大の電波望遠鏡

福井工業大学のあわらキャンパスには大学にはとてもめずらしい電波天文学を研究できる施設(あわら宇宙センター)があります。
石川県から行くと、芦原温泉に行く途中の北潟湖を沿う道沿いから、電波望遠鏡のパラボラアンテナを眺めることができるんです!ぜひ近くに通った時は見てみてくださいね~。

そして、今年は高校生対象のイベント「令和7年度第1回宇宙がもっと近くなる!13.5mパラボラアンテナ見学・体験イベント」が行われました。天体観測や望遠鏡作り、衛星追跡などを体験会ができたそうです!その様子が大学のHPに掲載されていました(https://www.fukui-ut.ac.jp/news/education/awara_sc/entry-11844.html)。
自分で作った電波望遠鏡で天の川銀河を観測や衛星リモートセンシングなど、とっても充実した2日間の体験のようです(とても羨ましい♪)。機会がありましたら、ぜひ高校生の皆さん参加してみてくださいね!最新の天文学に触れられる機会になると思います。
そして、福井工大のグッズは電波望遠鏡推し✨でステキです😊。

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日常
深宇宙展

出張の空き時間で日本科学未来館に行ってきました。ここは私の元職場なのですが、よく展示が変わります。なのでチャンスがある時に遊びに行くことにしています🚀。今回の目当ては、常設展の新展示「未読の宇宙」と「量子コンピュータ・デ […]

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日常
中華丼餡かけサラサラ問題その2

先月の続き、「中華丼餡かけサラサラ問題」の記事を楽しみに待っていました。しかも今回の特集は「科学と文学」なんとも興味深い内容ではないですか!中華丼の餡が食べてる間にサラサラになる人と、最後までトロトロ餡を楽しめる人が存在 […]

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日常
中華丼餡かけサラサラ問題その1

だいぶ専門的(しかも化学は得意ではない)なので、あまり購入しない雑誌「現代化学」をひょんなことから買ってしまいました。
それは、「中華丼餡かけサラサラ問題」という、なんとも惹かれる記事があったから。
この記事は、マツコ・デラックスさんが「二口くらい食べると、中華丼の案がサラサラになっちゃうの」と言っていたらしく、それを「え?何のこと?」と言った著者の奥さん。というところから始まります。どうも世の中にはトロトロの餡を最後まで楽しめる人々と、餡がサラサラになってしまう人々がいるようなんです。

餡がサラサラになる原因は、唾液に含まれるアミラーゼという物質がデンプンを分解するからなのですが、それがなぜ人によって違うのかということを科学的にまじめに解説していくという内容です。これが、化学に疎い私でもとっても面白い!なんと進化の過程まで出てくるようなのですが、それは6月号に続きます。

餡かけサラサラ問題、私も二口ってことはないですが、食べていくと徐々に餡がゆるくなっていくなぁと思っていました。
皆さんの食べる餡かけは、最後までトロトロですか?それともサラサラですか?

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日常
AIスーツケース実証実験

大阪・関西万博で「AIスーツケース」の実証実験を行ってきました!
「AIスーツケース」は、視覚障害者の移動を支援する自律型ナビゲーションロボットで、見た目はスーツケースですが、内部にコンピューターやセンサー、モーターなどが組み込まれていて、人や障害物を避けながら目的地まで安全にユーザーを案内することができるのです。
これまでは、日本科学未来館内でも実験を行ってきたのですが、AIによる音声対話などできるように新機能を搭載して、人の込み合う万博で本格的な実証実験が開始されたんです!

私もスーツケースに連れられて大屋根リングに上ってきました。途中、おすすめのパビリオンなどの情報もお話して教えてくれました。上に上ると風が気持ちいい♪混みあっている場所だと、人が通るたびにスーツケースが止まって歩きにくかったんですが、大屋根リングはスイスイと歩けて快適です♪目をつむって歩いてみましたが、とても安心できる信頼感があります。視覚障害の方もこれが社会実装されるとすごく便利になるんじゃないかと感じました😊。

「AIスーツケース」は誰でも実験させてもらえます。予約もできるので、気になる方はぜひ♪
https://aisuitcase.resv.jp/

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かほく市
【報告】第2回ほろよいサイエンス開催

4/26(土)【ほろよいサイエンス】を開催しました。
第2回目は、金沢大学教授で岩石学者の森下知晃さんをゲストとしてお迎えし「手のひらの中の地球史~身近な岩石が教えてくれる石川の物語~」と題しましてお話をしていただきました!
ロケーションは、再び金沢の町家「森町壱番丁」さん。日本家屋をリノベーションした、しっとりとした非日常のステキ空間です。そこに「波の綾」さんの美味しいつまみ、お酒、おみやげがつくスペシャルイベントです。

会場はなんとなくの4人グループ。真ん中に石がゴロゴロと置かれているという不思議な空間で、森下教授は「飲んでないと緊張する」と言い、チューハイをゴクッと1杯飲んでスタンバイです😊🍺。

まず、地球の中がどうなっているかという内容から始まり、おみやげの「カンラン石」という緑色したキラキラした石について教えてもらいました。
森下教授は、地球の中(マントル:個体)の上部にあるカンラン岩や様々な石を調査することで、地球の中で何が起こっているか、日本(石川県)で過去何が起こったかを研究しています。

終始立ってお話している森下教授。食べて飲んで話を聞いていると不意打ちのように先生の問いが飛んできます。「石とは何か?」という質問は、実は研究者でも悩むくらいの命題だそうです。石を眺めながら、そのでき方と過去に何が起こって石川県ができたのかを楽しくじっくりお話いただきました。そこに転がっている「石」がいろんなことを物語ることが分かりました。

研究者の感じているワクワクが一般の方に伝わること、一般の方が研究っておもしろいことやってるんだな!って感じること、この2つが【ほろよいサイエンス】の目的です!
今回のような基礎研究を理解するには最初の基礎段階の知識がいるので伝えるのが難しいのですが、何よりも現物がそこにあり、森下教授の平易に伝えようという気持ちが伝わり、その難解さがほわっとゆるくなった気がしました。
参加していただいた皆さん、森下教授、スタッフの皆さんに感謝申し上げます!
またやりましょう✨

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日常
おみやげ

4/26(土)に開催される「ほろよいサイエンス」。毎回、ゲストの先生よりおみやげをいただけるというスペシャルイベントです! 今回は、金沢大学の森下教授よりいただいた「石」がおみやげです。黄緑色のこの石、いったい何なのでし […]

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